コロナ禍でも高稼働を維持 「ふふ 箱根」の設備と戦略


エントランス

 カトープレジャーグループ(KPG)が今年1月26日に新規開業した高級旅館「ふふ 箱根」が好調だ。コロナ禍中にあっても、開業以来高稼働を維持している。

 箱根町強羅で、傾斜地に隣接する企業保養所3軒分の土地を取得。全39室(最大定員98人)の建物を新築した。本館(3階建て。ロビー、バー、レストラン、スーベニア、客室)、一の棟・二の棟(5階建て。温泉、スパ、客室)、三の棟(3階建て。客室)で、延べ床面積は約5930平方メートル。敷地面積は約1万353平方メートルに及ぶ。客室は8タイプで、ふふラグジュアリープレミアムスイート(全3室。約102~120平方メートル)、ふふラグジュアリーコーナースイート(全1室。約97平方メートル)、ラグジュアリースイート(全3室。約92平方メートル)、プレシャススイート(全10室。約61~77平方メートル)、コンフォートプレミアムスイート(全3室。約62平方メートル)、コンフォートスイート(全10室。約61~62平方メートル)、スタイリッシュプレミアムスイート(全3室。約50平方メートル)、スタイリッシュスイート(全6室。約50平方メートル)からなる。

ふふラグジュアリープレミアムスイート

スタイリッシュスイート

 

 同館が位置する強羅は岩が多い地区。ゴロゴロとした岩、亀の甲羅のように地盤が硬いことが強羅という地名の由来となったという説もある。岩石をモチーフに、岩肌をイメージした壁面、岩石のカウンター、引き出しの取っ手の石に至るまで館内各所に取り入れた。

エントランス

 

 料金は、2人1室利用時の1人料金が4万1400円(税サ入湯税込み)から。高級旅館だが宿泊年齢制限は設けず、12歳以下の施設利用料は一律1650円としている。「ファミリー層にも愛される宿を目指している」(ふふ箱根の伊藤喜晴総支配人)からだ。会員組織「KPGカスタマークラブ」の登録会員数は約20万人。またKPGが2007年に箱根小涌谷にオープンした「箱根・翠松園」(全23室)ではリピーター比率が50%を超えている。「10年前に20~30代だったリピーターのベンチャー企業経営者夫妻が、子供ができてからもカトープレジャーグループの宿に通い続けてくださる例もある」(同支配人)など同グループの顧客ロイヤリティは高い。

 夕食は、宿泊客が自分好みの組み合わせで料理を楽しむプリフィックススタイル。前菜、お椀、お造りの後に続くメイン料理、食事、水菓子を20品以上の献立から選ぶことができる。料理の豊富なバリエーションと質の高さも人気の高さにつながっているようだ。

 

伊藤総支配人

 
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